研究概要

熊本地震や相次ぐ水害では、古墳石室や城郭石垣などの石材で構築された文化財の被害が相次ぎました。文化財が被災した場合、3次元計測データがあると、被害状況の把握、被災後の修復・復元の際に、大きな威力を発揮することが判ってきています。しかし、遺跡の種類によって、必要となる精度や有効な測定方法などが異なり、標準となるべき基準の検討が立ち遅れています。装飾のある古墳石室などの極めて詳細なデータが必要なものから、城郭石垣のように規模が大きくデータ精度をある程度落とす必要があるものまで、様々な特質を有した石材で構築された文化財を対象に、保全を目的とした3次元計測の標準を確立することを目指した研究です。